考え方

ソクラテスに学ぶ!問答法についての紹介!「対話」することで、お互いの考えを理解し合おう!

人は、自分の正しさに囚われてしまう生き物です。
そして、正しさと正しさのぶつかり合いから争いが生まれます。

「人にあれこれ言って、説教してしまう」
「つい態度が高圧的になる」
「私の考えは間違ってない!」

このようなことで、人と言い争ってしまった経験はありませんか?

そんなあなたに必要なのは、ギリシアの哲学者ソクラテスの考えかもしれません。
なので、今回はソクラテスの考えを参考にしながら、対話する大切さについて紹介します!

 

ソクラテスの哲学

古代ギリシアの哲学者であるソクラテスは、無知の知で知られている人物です。
無知の知とは、「自分が知らないことを自覚すること」という意味です。
簡単に言うと、「自分的には知っているつもりだったけど、案外分かっていないんだなぁ」と理解することです。

例えば、「近頃の若者は全然ダメだ!」と言う人がいたとします。
その理由は、お金を使わない、酒を飲まない、自主性がないから。
しかし、この理由だけで、若者をダメと判断するというのはどうなのでしょうか?
もしかしたら、これは「自分の中の正しさ」を基準にした思い込みかもしれません。

人は、「これが正義だ」とか「これが善」などと思い込むものです。
なので、もう一度自分の考えが正しいかどうかを考えてみよう!というのがソクラテスの哲学です。

そして、この思い込みを自分にも相手にも考えさせる方法があります。
次にその方法について紹介します。

 

問答法について

問答法とは、対話を重ねて、その中にある矛盾する部分を指摘することです。
ただし、指摘する場合は、これは違うという風に説教するのではなく、相手に対して質疑応答するようにやります。
この方法は、潜在的に含まれている真実(本人がまだ気づいていないこと)を対話によって生み出す方法です。

では、先ほどの例えを使って問答法をしていきたいと思います。

 

相手があることを主張する

「近頃の若者は全然ダメだ。お金を使わない、お酒を飲まない、自主性がない。今の若者より、自分が若い時の方がよかった」と主張する。

 

相手の主張に対して、質問していく

「それは、お金を使わないのではなく、使いどころを考えているのでは?
「それは、お酒を飲まないのではなく、お酒を飲む機会が少ないのでは?
「それは、自主性がないのではなく、他人のことを尊重しているのでは?
と質問することで、相手は自分の考えにはなかった部分が見えてきます。

 

照らし合わせて、新しい結論を導き出す

結論として、「最近の若者がダメなのではなく、昔は当たり前だった価値観とは違う、新たな価値観の中を生きている。」という、最初の考えとは、違う考えが導き出されました。

このように、ソクラテスの問答法を活用することで、自分の思いこみを打破し、新しい考えや知識を生み出すことができます。
そうすることで、頭もやわらかくなり、人にわざわざ説教したり、他人に対して高圧的な態度をとることも減ります。

 

ソクラテスに学ぶ!

今回はソクラテスの哲学と問答法について紹介しました。

ソクラテスは、人間がロゴス(論理、理性、言語)を使って試行錯誤すれば、客観的真理、普遍的真理へと到達すると考えました。
そして、人生のあらゆることを問答してみた結果、人間にとって「最も善いこと」は「知を求めること」と主張しています。

人間の目指すべきは、金持ちになることでも、名声を得ることでも、快楽を求めることでもない。
大切なことは哲学すること。

善いこと、正しいことは「正しい知識」から生まれます。
つまり、悪いことをしている人は、それが悪いことだと分かっていないだけ。
知を求めることで、自分を正しく育てれば、幸せになれるし、善悪の判断がつくようになるというのがソクラテスの哲学です。

自分の考えを正しいと主張することは大切なことです。
しかし、生活の中で自分の考えと相手の考えが異なることがあると思います。
それは、お互いの正しさの違いでもあります。

その場合は、相手の考えを否定することなく、なぜそのように考えたのかを自分で考えたり、相手に質問したりして下さい。
問答法を使うことで、相手の考えを理解することができますし、自分の考えが広がるきっかけにもなります。

なので、会話する上で一方的な自己主張はやめて、相手との対話を心がけていきましょう。